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不思議な大麻取締法 使用してもいいが所持することは禁止

不思議な大麻取締法 使用してもいいが所持することは禁止

大麻

大麻取締法の内容についてみなさんはご存知ですか?
最近では歌手のASKA容疑者が、覚せい剤取締法違反と大麻取締法違反の2つにより逮捕されました。
このうち大麻取締法というのは、あまり知られていませんが非常に不思議な法律なのです。

■不思議な法律の内容

大麻取締法によると、大麻の所持、譲り受け、譲り渡しについては罰則があり、5年以下の懲役(営利目的の場合は7年以下)とされているのですが、なんと大麻の「使用」については罰則規定がありません。
すなわち、大麻を使うという行為は罪にならないのです。
これが覚せい剤となると、所持、譲り受け、譲り渡しのほかに使用についても当然罰則があり、10年以下の懲役とされていますので、大きな違いです。
ですので、大麻を使用するだけであれば無罪なのですが、ただ、譲り受けず、かつ所持をしないで使用だけするなどということは物理的に不可能でしょうから、「私は大麻を使用しただけなので無罪です。」という主張は残念ながら通らないでしょう。誤解しないようにしてください。

■なぜこうなったのか

さて、一番禁止する必要がありそうな大麻の「使用」について、大麻取締法ではなぜ禁止されていないのでしょうか。
これは様々な理由があるようなのですが、理由の一つとしては、大麻草の栽培や利用が古くから一般に行われてきたからではないかと言われています。
例えば、七味唐辛子に入っている麻の実は、元をたどれば大麻草から取れたものです。神社にあるしめ縄の原材料の麻も大麻草の茎から作られています。もちろん大麻草の実や茎には陶酔成分はなく、陶酔成分があるのは葉や花ですので、七味唐辛子を食べても全く健康には問題ありません。
このように、大麻草の葉や花以外は古くから様々な用途で利用されており、そのため、微量な葉の粉末等を栽培者が吸引してしまう可能性があります。その時に大麻の「使用」で全て罰することになってしまうため、あえて「使用」については罰則から削除したというのが理由の一つだそうです。
大麻に関してはたばこより害が少ないとして、大麻の所持等を合法化すべきであるという意見も存在しますし、実際、海外では大麻の所持を合法としている国もあります。ただ、日本ではまだ大麻所持のコンセンサスは得られていないようです。
いろいろ述べましたが、いくら大麻の使用が合法であると言っても、大麻の所持、譲り渡し、譲り受けはれっきとした犯罪ですので、絶対にしてはいけません。十分にご注意ください。


*著者:弁護士 山口政貴(神楽坂中央法律事務所。サラリーマン経験後、弁護士に。借金問題や消費者被害等、社会的弱者や消費者側の事件のエキスパート。)

【シェアしたくなる法律相談所 2014年6月26日】


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