大麻を正しく考える国民会議 -大麻草を検証するサイト 大麻は麻薬ではありません。良質の繊維や油が取れ、医療分野でも活用が期待されています。

日本の仏教・神道における大麻

日本の仏教・神道における大麻

※長吉秀夫著「大麻入門」(幻冬舎新書) より抜粋
 本書はこちらで紹介してあります

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日本で大麻を衣服や釣り糸や食用として使用した痕跡は、縄文時代に遡る。福井県の鳥浜遺跡からは1万年前の大麻の種が発掘されている。縄文土器の縄目は大麻の縄で付けられたものも多い。鳥浜遺跡からは大麻で作られた縄も発掘されているが、これは、大麻で作られた遺物としては世界最古のものである。

…中略…
大麻は天皇一族にとって、稲と並んで重要な植物であった。それは、強い生命力は魂の象徴であり、神の依り代と見られていたからである。
大麻が神の依り代とされている神話の一つに、「天照大神の天岩戸隠れ」がある。
ある日、素盞鳴尊(スサノオウノミコト)が暴れ回ったために、怒った天照大神は天岩戸に隠れてしまう。すると、世界中が真っ暗闇になってしまった。困った神々は、天照大神の気を引こうと、岩戸の前で詔を唱えたり、踊りを踊ったりする。
その中の一神に、忌部氏の祖である天太玉命(あまのふとだまのみこと)がいた。
天太玉命は、天照大神の気を引くために、大麻の先にいくつもの勾玉を綺麗に飾り付けて捧げ持っていた。岩戸の前に集まっていた神々によるパフォーマンスが最高潮に達し、まさに岩戸が開かれようとしたその時、天太玉命が捧げもっていた大麻の先に、一羽の鳥が舞い降りた。神々は、これを吉兆と見て大変喜んだ。そして、この鳥は天日鷲命(あめのひわしのみこと)という神となったのである。

…中略…
江戸時代。鷲神社の周辺では、ちり紙にも使われた浅草紙が大量に生産された。多くの紙すき業者たちは、紙の原料の一部でもある大麻と関係が深かった天日鷲命を祀り、自分たちの守護神とした。そして、この神社から、開運と商売繁盛の象徴である熊手を縁起物とする「酉の市」が始まったのである。

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…中略…
大麻が神道で神の象徴であるという例の一つに、伊勢神宮のお札がある。このお札は「神宮大麻」という名で、現在は紙のお札であるが、その昔は大麻草が使用されていた。大正五年に神宮奉斎会本部が発行した『神宮大麻と国民性』によると、「大麻は之を仰ぎ崇敬の念を致すべき御神徳の標章」であると記している。また、家庭においても大麻を奉安し、朝夕家族で拝むことは、子供たちの教育上も多大な効果があるとしている。
大麻を神棚に安置し、家族で拝するとは、現在では信じられない光景である。
当時、神事の中で大麻を吸引していたか否かは定かではないが、基本的に神道における大麻の使用は、その美しい繊維の束を棒の先にくくりつけ、参拝する者の頭上や特定の場所などの穢れを祓う大麻(おおぬさ)や御幣(ごへい)であったり、聖域を囲む結界のための麻紐であったり、注連縄や神殿に吊るしてある鈴の縄として、現在も使用されている。
神道では、「清浄」を重視しており、大麻は穢れを拭い去る力を持つ繊維とされている。

…中略…
神事として成立してきた相撲の横綱力士の綱も、神社の注連縄同様に大麻が使用されている。日本の国技である相撲は、現在ではスポーツとして捉えられているが、本来は神に捧げる行為であった。

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日本の仏教はインド伝来のヒンドゥー教の影響も強く受けている。例えば、シヴァ神は大黒天、ブラフマー神は梵天などとなって、日本でも深く信仰の対象となっている。インドからも度々日本へ僧侶が訪れていたようであり、彼らは神事の中で大麻を使用していたと考えられる。

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日本の仏教や神道や様々な祭りや伝統の中にも、大麻は深く関わっているのだ。
一説によると、GHQが大麻規制のメモランダムを発行した背景には、大日本帝国の根幹である国家神道と大麻の関連性を重視し、精神的に日本人を矯正しようという考えがあったといわれている。軍国主義的なナショナリズムは歓迎しないが、日本人と日本文化を再認識するために、大麻についてもう一度見つめなおすことは大切ではないだろうか。


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